くれなゐの宮




「出会わなければ良かったのだろうな…。
こんなにも深く、知ってしまうくらいなら。」



無理に笑顔を作っても止まらない涙。
今にも壊れてしまいそうな姿を見ていられなくて、おれはその華奢な体を抱きしめた。

腕におさまるなり、堰を切ったように泣き出す彼女。


出会わなければ良かっただなんて、思いたくない。だが、出会わなければ、こんな思いをすることもなかっただろう。


しかし現に彼女がここにいて、おれがここにいるのなら、これはきっと天が仕組んだ運命だったのだ。

そうに違いない。

だから貴女と出会ったことは偶然ではなく、


必然だと信じていたい。