「綺麗だろう。」
ふと、隣に佇むイハルが口を開いた。
「私も、間近で見たのは初めてだ。」
いつもは小さな窓の簾越しから眺めているだけだったから…と付け加え、彼女は夜空を見つめたまま言う。
花火が夜空に花を咲かせるたびに、その横顔は鮮やかな色に包まれて。
煌めいては揺れる、心と瞳。
「こんな事をすればお前たちがどんな目に遭うか分からないと、何度も断ったのにな。
結局来てしまった。……私は、身勝手な奴だ。」
とても辛そうに笑い、目を閉じる。
嗚呼、そんな風に思って欲しくはない。
皆が彼女の笑顔が見たいと願って犯した罪なのに、もし彼女がそれを否定してしまえば…おれ達はただの罪人になってしまう。
神を下界へと連れ出した、哀れな罪人。
そんな肩書は…要らないのに。

