くれなゐの宮


最後の木々の間を通り抜け、河原に足を踏み入れた丁度その時。


地面から夜空に向けて一本の線が駆け抜ける。

その線がふと消えた瞬間、轟音と共に暗闇に大きな花が開いた。



「……、!」



―――花火。


あまりの美しさに…目を見開いた。


次から次へと絶え間なく打ちあがるそれは、止まりそうな心臓の鼓動をもう一度打ち鳴らすように。

淡く、儚く、されど強い衝撃をおれに叩きつけた。


胸が苦しい。

こんなに残酷な世界で、どうしてこんな美しいものを見なければいけないのだろう。



まるで生きろと言われているようだ。

死ぬまで生きろと。



死んでも、生きろと――。