その後、暫く人の流れに任せて大通りを歩いたが、進むにつれて徐々に人が減り、屋台も赤提燈もついに途切れてしまう。
辺りは暗闇に覆われ、大通りのような活気はどこにもない。
「…少し行き過ぎてしまったみたいですね。」
このまま進んでも無駄だと判断し、踵を返そうとするおれ。
しかしイハルはそれを拒んだ。
「…?」
思わず静止し首をかしげるが、イハルはまだ奥に行けると言わんばかりに足を進めた。
「え、あ、」
理由を聞く暇も隙もなく強引に手を引かれ、道を逸れたと思ったら、今度は林の中を突き進む。
虫の音をいくつも追い越し、木々に躓きそうになりながらも進めば…やがてどこからか水の匂いがした。
追うようにして今度は水の流れる音がかすかに聞こえる。
「…この先に川があるんだ。」
林に入ってからようやく口を開いたイハルは木々の向こうを見据えたまま言った。
「そしてそのもっと奥で―――」

