母親に抱きしめられ、嬉しそうに大きく頷くユト。
「立派なお兄ちゃんになるんだぞ。」
最後にイハルがそうい言いながら先程射的で当てた人形を渡すと、大層喜んでくれた。
「何から何までご迷惑をおかけしまして…。このご恩は決して忘れません。」
大きく一礼し、去っていく親子。
その姿を見送ると、おれ達も反対方向へと足を進めた。
「…楽しかったな。」
寂しげに俯くイハルの手を優しく取り、そっと寄り添う。
恐らく彼女自身複雑な思いがあったのだろう。
何も語ることはなかったが、その寂しさが繋いだ手から痛いほど伝わってきた。

