くれなゐの宮


……用心棒…!

思わず吹き出しそうになり、口を押える。

確かに間違いないが、実に固い。


「ようじん、ぼう…?」


「そうだ!このお兄ちゃんは、凄く強いんだぞ!」


「あっはっは!強くないですよ」


我慢できず笑ってしまうと、イハルは「どうして笑うんだ!」と顔を真っ赤にして言った。


違うと連呼されるのもあれだが、その反応が逆に嬉しかったりもする。


「強くないですよ、おれは。」


そう、強くない。

おれは強くはない。


所詮、運命さえ打ち砕けぬ、ただの弱い男だ。


勿論、彼女ごと運命から救い出せる力と強さがあれば、この上ないのだが。