どうやら相当腹が減っているらしい。
「…おなかすいた…。」
ユトが呟けば、イハルは何か物言いたげにじっとおれを見つめ、意味深に目を逸らす。
その間も祭囃子に負けないくらいに、二人の腹は音を奏で続け…妙な不協和音に笑いが込み上げてくる。
そもそも、あちこちで団子や餅の良い匂いが漂っている中、我慢しろと言う方が無理な話で、寧ろ我慢する必要もないわけで。
「あの、何か食べますか…。」
懐からコウに貰った財布を取り出した途端、目の色が変わる二人。
「食べる」
「たべる」
…二人のその反応に、なんとも自分が金づるになったような感覚に襲われ、思わず薄ら笑いを浮かべてしまった。

