くれなゐの宮


「おれ、嫌われてますね…。」


「無理もないだろう、この子にとってみれば私もお前も他人なんだから…。」


とは言うものの、すっかりイハルに懐いているように見えるのは気のせいだろうか。

結局イハルが名前を尋ねたところ、小さな声で「ユト」と答え…おれ達はとりあえず男の子、ユトの親を探すことにした。


「今日は誰と来たんだ?」


「おかあさんと…おとうと」


「ユトはお兄ちゃんなのか。おとうとはいくつなんだ?」


「いっさい」


「そうか、そうか。」


屋台を巡りながら辺りを見回す。

ユトが母親とはぐれてから、それ程時間は経っていないようだが、母親らしき人物は一向に見当たらない。

イハル徐々に落ち着いてきたユトを地面に下ろし、手を引いた。


すると。

二人の腹から同時に、聞き覚えのある音が鳴り響く。