「……?」
不思議に思い彼女の右手に視線を下げると、小さな手が握られていて。
手を辿ってみれば子どもの姿があった。
恐らく3、4歳くらいの男の子だ。
泣いていたのか、何度もしゃくりあげ…鼻をすすっている。
「……迷子みたいでな。どうにも私を母親と間違えたみたいなんだ。」
迷子……。
成る程と心の中で頷き、男の子の目線の高さまで腰を下ろしてみた。
しかし酷く怯えているのか、瞳に涙を浮かべて震えている。
「名前は何ですか?」
優しく言ったつもりだが駄目だったようだ。
男の子は怖ろしい速さでおれから顔をそむけると、イハルに泣き縋る。
見かねた彼女はどうしたものかと困った表情を浮かべたのち、少しぎこちないながらも彼を抱きかかえた。

