くれなゐの宮


「一体どこに…、」


早く見つけないと大事になるどころか、自分だけの問題ではなくなってしまう。

それにもし誰かが彼女の髪や瞳に気付いたら…。

考えるだけで背筋が凍りそうだ。


イハルはそこまで背が低いわけではない。

が、男性も大勢いるこの場ではそんなことは何の役にも立たない。


一瞬でも手を離さなければ…

下唇を噛み、必死で目を凝らす。

それからどれくらい経っただろう。

きっと半刻も過ぎていない頃だとは思うが、射的の屋台の前でようやくイハルを見つけた。


「イハル様…!」


小声で呼べば、彼女は振り返りホッと安堵の表情を浮かべるが…すぐに困ったように眉を顰め、苦笑を浮かべた。