オタク少女が恋をしたのは…

教室に帰ると美姫からの質問攻め。

「ねぇ、どうしちゃったの!?」
「紙…ポケットからなくなってた」
「だからって何も頑張ります!だけって…」

うん、わかってるよ、美姫…

だからあまり私の傷に触れないで…

「よーし、皆遅くなってすまん!」
「また帰りにね!」
「うん…」

せっかくの美姫との会話も教室に入ってきた担任に遮られた。

「え〜、今日のうちに自己紹介をしてもらおうと思う!」

…え、やだ。そんなの。

「んじゃ、まずは担任の俺からっ!
俺は西谷賢斗だっ!にしけんってアダ名だ!気軽に呼んでくれっ☆*゚
因みに担当教科は体育。30歳、彼女ナシ!
よろしくなっ!」

あ〜、だからか。

あんなに暑苦しかったのは。

やっぱり体育会系は暑苦しいのね。

担任の後から出席番号1番の人から順番に自己紹介が始まってゆく。

気づけばなんと高井くんの番だった。

「高井翔真…よろしく…」

……………………………

どうしよう、同姓同名だ。

それによく見れば少し茶色の髪に切れ長目…

身長は180㎝くらいかな?

すらっとしたスタイル…本当、よく似てる。