私と彼と――恋愛小説。

恭子は満足そうだった。佐久間が今後のカヲルに関するインタビューなどを任せる事に加えて、最終的に全ての内幕を書いても良いと告げたからだった。


「全てって…言葉の通りに受けとって良いのよね?佐久間さん」


「言葉の通りですよ。但し、一通り全てが終わった時にですけどね」


恭子は佐久間の言葉に、目を瞑り考え事をしていた。杏奈だけが少し不機嫌だ。


「杏奈さん。どうされました?」


「愉しみにしてたのにさ…結局来るのは加奈子なんだよね」


「悪かったわね…行くのが私で」


そんな様子を面白そうに見ていた佐久間に恭子が口を開く。


「佐久間さん…本当はまだ何か隠してるわよね?」


「さあ…どうでしょう?」


佐久間はただ笑うだけで、それ以上は答えなかった。


「どうしてよ。何が引っ掛かるわけ?ライターの勘ってやつなの?」


横に座る杏奈の質問には答えず、じっと佐久間を見つめる。


「私が書くって事は、作家のカヲルが終わるって事よね?もしかして、それで正体を明かして佐久間さんが作家デビューするとか?」