私と彼と――恋愛小説。

待ち合わせ時刻丁度。個室の高級なカラオケ店に恭子と杏奈は既に到着していた。


「どう云う事よ加奈子。この間は乗り気じゃ無かった感じなのに、急に佐久間に会わない?なーんてさ」


「良いじゃない恭子。何か事情があるんでしょ?」


佐久間からは少しだけ遅れるから先に飲んでてくれと連絡が入っていた。


「そう、愉しみだな。佐久間さんにカヲルの事も聞いちゃおうっと。加奈子の口は固そうだしね」


恭子は悪戯っぽく笑いながら私の反応を伺っている。


「そりゃね、業界の有名人だから興味はあるわよ。しかもベビーフェイスだけど良いオトコ」


心なしか杏奈のメイクにはいつも以上に気合が入っている。


「はぁ、この女は…若いイケメンマッチョの旦那にこの顔見せてやりたいよ」


「バカねぇ。良いオトコはサプリメントみたいなもんなのだよ。そんな小さいしがらみで選択肢を狭めちゃいけないのさ」