私と彼と――恋愛小説。

「そんなの同じよ…それにしてもムカつく」


「何が?」


「大友さん…恭子の実家へ挨拶しに行ってる」


「まだ言ってる」


「半ば冗談、半分本気。まっ仕方ないわね」


携帯を眺めて杏奈が呟いた。


「あたしの可愛い奴が迎えに来たわよ。先帰るわ」


「うん、またね。ありがとう杏奈」


帰り際、杏奈が背中から私を抱きしめる。


「離しちゃ駄目よ。でも、最初が肝心だからガツンと言ってやんな」


じゃあね、と言い残して杏奈は帰って行った。