私と彼と――恋愛小説。

春を迎え、noxも順調に続いていた。雑誌を彩る洋服達は短い丈に姿を変えて、あっと言う間に冬の装いに切り替わる。


〈帰るよ…〉


ずっと届いていた佐久間のブログに、待ちくたびれた一言が添えられていた…


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「へぇー。一年近くほっつき歩いて、漸く帰って来るんだ」


杏奈がつまらなそうに話す。


「もう少し言い方があるでしょうに」


「待たせる方もだけど、待ってた加奈子も信じらんないわ」


「そうね、我ながらそう思うわ」


「でしょ?それにしても、変わったねぇ加奈子」


「そう?別にそんな気はしてないけど」


「それよ、それ。何処かふらふらしてて、オトコに振り回されて…そんな感じだったのにさ」


「そうかも…色々気が付いた。アレって私が悪かったのかもって。今更だけどね」


「強くなったねぇ…」


「杏奈は始めから強かったけどね」


「そんな事ないわよ。加奈子や恭子に強がり言って、その言葉に頼ってさ。まあ、自己暗示みたいなものよ」


「そうなんだ…」


「そうよ…文句ある?」


「ないわよ。私は杏奈や恭子に助けられてばっかりだったもの」