私と彼と――恋愛小説。

男も私の斜め前の席で、身じろぎもせずスクリーンに見入っている。


何を考えているのだろうか…ついそんな風に感じるのは仕方がないことだ。


映画の出来は素晴らしいものだった。素人の私にも主人公の心の揺らぎが伝わる。


女として、仕事や恋愛や結婚や…そうした事を選び続けなければいけない事を感じる物語だった。


エンドロールが始まる…


誰一人スクリーンから目を離さない。


役者の名前…


スタッフの名前…


スポンサー名が流れて行く