「もう?」


佐久間が意地悪く囁く…答える代わりに端正な顔を引き寄せ唇を重ね舌を差し込む。


ようやく脚の間に佐久間の細くてしなやかな腰が割って入る。


焦らす仕草に堪えきれず、柔かな頭髪を引き寄せると応える様に佐久間が半身を起こした。


ゆっくりと埋めらてゆく…身体も心も突き抜ける満足感に埋め尽くされた。


何度かの小さな波がやがて大きくうねると、佐久間が小さく硬直した。


荒い息遣いと重く心地良い佐久間の質感…


『寝てみなきゃわかんないよ』


杏奈の言葉が思い浮かび、佐久間に悟られない様に苦笑する。


「今…笑った?」


「ごめん…杏奈に言われた事思い出してた…」


私が満足している事は伝わっている。可笑しそうに聞き返す。


「杏奈さんは何て?」


「オトコなんて――寝てみなきゃわかんないって…」