私と彼と――恋愛小説。

身体の力が抜けてゆく。もっと佐久間を感じたい…


「こうしたかった…初めて見た時から」


耳元でそう囁く。狡いセリフだ…吐息が耳の奥まで伝わり、身体の芯にモヤモヤと欲望が沸き起こる。


シタい…佐久間が欲しい。止まる筈が無い。


「私の部屋…」


気が付けばそんな風に彼の耳に告げていた。


ほんの数分、気不味い時間だった。指先だけが気不味さを誤魔化す様にお互いに絡みあう。


手を繋いだままで、私の部屋の鍵を開けた。


扉が閉まる…佐久間は待ちきれなかった様に私を抱きしめて唇を重ねる。


舌先は遠慮なく唇を割り私の舌に絡む。私も同じように佐久間の舌を押し返す。


佐久間の唾液に私の唾液が口内で一つになる。たまらない感触…