何故だか、佐久間に触れてみたくなる。杏奈の言葉に触発されているのだろうか…
彼の手がCDの選曲をするためだろう、フロントのボタンへ伸びる。
右手を伸ばし綺麗な指先に重ねてみた。ぴくりと指先が動くと、手のひらを返して私の指に絡みつく。
二人して無言で前を見つめながら、柔らかなかけ引きを繰り返す。
三十を過ぎたオトコとオンナが、これ程些細な事で幸せを感じている。
きゅっと繋がる手に力が入り、佐久間は私を見てはにかむ様に笑う。
その仕草に意地悪したくなる。
「どうしますか?」
「どう…しようか」
彼の手がCDの選曲をするためだろう、フロントのボタンへ伸びる。
右手を伸ばし綺麗な指先に重ねてみた。ぴくりと指先が動くと、手のひらを返して私の指に絡みつく。
二人して無言で前を見つめながら、柔らかなかけ引きを繰り返す。
三十を過ぎたオトコとオンナが、これ程些細な事で幸せを感じている。
きゅっと繋がる手に力が入り、佐久間は私を見てはにかむ様に笑う。
その仕草に意地悪したくなる。
「どうしますか?」
「どう…しようか」
