佐伯は私を見つめてデスクの画面を指差している。私は少しの罪悪感を感じながら佐伯の背後に回り込んだ。
画面に映るのは取材中の写真で、中央には以前マスコミを騒がせた小太りの男が熱弁している。その写真の隅に映る男…今よりも若いけれど紛れもなくジュンさんだった。
「この人です…誰なんですか?」
「こいつの事件は知ってるだろ?もっともこの取材の頃は、多少強引でもルールに乗っ取って経営されていたんだよ。実質会社の運営をしているのではと噂されていたのが――大友だ」
「危なくなったから辞めたって事ですか?」
「違うな。大友が辞めてからコントロールが効かなくなった…だから大友は捜査線上にも上がって無い。まあ、聴取ぐらいはうけてるだろうがね。なあ、大友は佐久間の側に居るのか?」
「そうですね、佐久間は事実上の社長だって言ってました」
余計な事を口走ったかも、と思った。佐伯は私の様子を伺う。
「心配するなよ。昔なら大友に取材でも申込むとこだがな。今回のカヲルや佐久間の事も少しは納得がいった…その程度だ。邪魔はしないから気にするな」
「もう一つだけ良いですか?その、大友さんが辞めた理由とかって…」
「それなんだよ。誰も理由を知らないんだ、事件の後随分大友を探したんだけどな。誰も奴を見つけられなかった」
画面に映るのは取材中の写真で、中央には以前マスコミを騒がせた小太りの男が熱弁している。その写真の隅に映る男…今よりも若いけれど紛れもなくジュンさんだった。
「この人です…誰なんですか?」
「こいつの事件は知ってるだろ?もっともこの取材の頃は、多少強引でもルールに乗っ取って経営されていたんだよ。実質会社の運営をしているのではと噂されていたのが――大友だ」
「危なくなったから辞めたって事ですか?」
「違うな。大友が辞めてからコントロールが効かなくなった…だから大友は捜査線上にも上がって無い。まあ、聴取ぐらいはうけてるだろうがね。なあ、大友は佐久間の側に居るのか?」
「そうですね、佐久間は事実上の社長だって言ってました」
余計な事を口走ったかも、と思った。佐伯は私の様子を伺う。
「心配するなよ。昔なら大友に取材でも申込むとこだがな。今回のカヲルや佐久間の事も少しは納得がいった…その程度だ。邪魔はしないから気にするな」
「もう一つだけ良いですか?その、大友さんが辞めた理由とかって…」
「それなんだよ。誰も理由を知らないんだ、事件の後随分大友を探したんだけどな。誰も奴を見つけられなかった」
