私と彼と――恋愛小説。

「へぇー佐久間がそう言ったんだ…ますます探りを入れたくなる話だね」


「まあね…小説に映画にコミック、それを仕事じゃないって…じゃあ何なのって感じ」


「聞かなかったの?その先」


「うん、誤魔化して教えてくれない…」


「これ見てくれない?佐久間の事少し調べたんだけどさ…」


恭子がノートPCの画面を私に向ける。どうやら以前取材を受けた記事だ。今と全く変わらない風貌で柔かに微笑んでいる。


「写真じゃなくてさ、記事の方読みなさいよね」


記事は佐久間の仕事に対するポリシーを中心に纏めてあった。


「ねっ?今の話と随分イメージが違わない?」


仕事は必ず利益を生み出すものしか選ばない…利益を出せるからこそ、クオリティの高い結果を出せる。そんな事が書かれている。


「まあ、本当の事だけどさ…風当たりの強そうな記事ね」


「聞いた話だけどさ…絶対にその辺は妥協しないんだってさ。でも業界の評判はすこぶる良いよ」


「そうなんだ…」


「うん、ただ利益だけに走ってるわけじゃないらしいんだなぁ」