私と彼と――恋愛小説。

「そんなに難しい顔しないでよ」


くすくすと笑う佐久間から先程の表情は消えている。私はこの男に振り回されているだけなのか?


どの彼が本当なのだろう…?


「そんな顔してません。それで私はどの様なスケジュールでお付き合いすれば宜しいでしょうか?」


「他人行儀な言葉遣い…」


「他人ですから…」


「僕がカヲルで――カヲルの分身が加奈子ちゃん。だから、満更他人じゃないでしょ?」


「こじつけるにも限度がありますね…」


なんだか少しだけ寂しそうな顔をする。それでも直ぐに笑顔を浮かべて一枚のメモを差し出した。


「同行して貰わないといけないリスト…ほとんど調整が終わってるんでお願いね」


幾つかのスポンサー名とテレビ局の名前がそこに在った。