私と彼と――恋愛小説。

「ねえ加奈子――あんた恋愛の仕方忘れちゃってない?少なくとも佐久間はあんたになついてるし、見た目も悪くない。挙句に仕事まで出来るんだからさ、少しは恋愛モードにならないもんかね?」


「恭子に言われたくない…自分だって似たようなもんじゃない」


「私の事はどうでも良いの。そう云えばさ、ジュンさんと佐久間の関係って聞いてみたの?」


「なんだか聞けなかった…そんな雰囲気じゃなかったもの」


「そうか…絶対何かありそうなんだけどね。まあいいや、これカヲルの取材記事USBに入れといた」


「ありがと。読まなきゃいけないんだよね…」


「読まずに編集出来るならご自由にどうぞ?今頃佐久間もそれ読んでるわよ」


「そう…何だかなって気分だわ」


「自分で言うのもなんだけどさ…良い出来だと思うわよ」