私と彼と――恋愛小説。

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「へーあの佐久間がねぇ。それで?その後はどうしたの?」


恭子は佐久間の様子を聞いて興味津々だった。


「どうしたって…フカヒレ食べて――帰った」


「呆れるわ…何がフカヒレ食べて帰ったなのよ。中学生か!」


「中学生がホテルの最上階で料理長が運ぶフカヒレなんて食べません……」


恭子は心底呆れた表情で、私を見つめる。


「それにしてもさ…何かが変だよね。私は何度も会ってるわけじゃないし、良くわかんないけどやっぱ加奈子は特別な感じがするんだなぁ」


「特別…ねぇ。なんか複雑な気分」


「で?どうなのよ、少しは良いって思ってたんでしょ?」


「まあ、一瞬そんな気はしてたんだけどさ…今はそれよりも、弟でもみてる気分」


「加奈子、弟いたっけ?」


「居ないけど、そんな感じなの!もう、わかんないわよ…」