「ジュンさんの方が年上ですよね？佐久間さんとジュンさんってどんな関係だったんですか？」


私にしてみれば深い意味もない、只の質問だった。ほんの一瞬…二人が真顔になった気がした。


「あーちょっとした知り合いだったのよね。で、まあこんな形になっちゃって」


妙な空気が流れている気がして、恭子をチラリと見る。彼女も何かを感じている様子だった。


「失礼します…あの、佐久間さん。どうしてもエリナさんが電話替われって、僕じゃどうにもならないです」


佐久間は苦笑いしながら頷いた。私達に少し外すと言い残し席を立つ。


どうやら人気タレントのエリナらしい。取り返した仕事の主役が彼女なのだろう。


「ごめんね、エリナは涼ちゃんのファンだからねぇ。ああやってごねて涼ちゃんに会いたいだけなのよね」


「あの…ジュンさん。さっきなんか変な感じになりましたけど…」


「恭子ちゃん、加奈子ちゃん…悪いけど直接佐久間から聞いてよ。あたしからは何も言えないのよ」