私と彼と――恋愛小説。

「どうやら、私はその後何日かしたら杏奈の会社にも行かないといけないらしい…」


「あららっ…カヲルデビューって事よね。まっ、頑張れ」


恭子は何処か楽しそうに笑う。


「笑い事じゃないわよ。どうしてこうなるのかなぁ。ねえ恭子、本当にこんな事して良いのかな?」


「さあね、何にしろあんたもあたしも佐久間の手の上でコロコロって感じだからね。ああ、あたし等だけじゃないわよね。映画のスポンサーもスタッフも全員か…」


「嫌なオトコだよ…そんな風に考えると」


「ぐらついてる癖に、その嫌なオトコに」


「やっぱ無いわ…まかり間違っても手に負える気がしないもん」


まあね、と恭子が頷いて溜息を吐いた。


「何で恭子が溜息なのさ」