ゴミではない。ゴミなんかじゃなくて、ただブンベツをして早く整理をつけたいのかもしれない。
未だに答えは見出せてない。
いっそ全部忘れられたら楽なんだと思う。

口に含んだ水が心地よく体に沁みるのを感じて、これが現実だと思う事が出来た。


「フユちゃん…」

「ん?」

「……シャワー借りていい?」


自分で別れを選んだ事に後悔はしていない。
ただ、タイミングが違ったらもっと違ってたんじゃないかって時々思うくらい。
上手な恋愛の仕方とか残った想いを消す方法とか、そんな事知ってたら感じ方も考え方も何かが変わってたんじゃないかって。

時々、本当に時々。
あのお店はまだあるのかなって、考えてしまう想いを私はどうしたらいいのか分からない。



「今日休みでしょ?もっとゆっくりしってたら?」

「ううん平気、ありがとう。シャワーまで貸してくれて本当に助かった今度何か奢るよ」

「あの美味しい駅前のモンブランで許してやろう」


朝起きた時と比べたらシャワーも帯びたおかげで少し体が軽くなった様な感じがしたけど、二日酔いって本当に魔物だ。
帰りに薬買って帰ろう。


「しっかり承りました。お世話になりました」


敬礼をして、扉の向こうの冷気を覚悟しドアノブに手をかけた時。


「…ハナ待って、私言おうか迷ってた」