「で、どうだったんだよ?」
私に背を向けてバケツに生けてある花を指で弾いて弄ぶアスカさんの声は少し笑っていた。
「何がですか?」
「昨日だよ、昨日。俺から逃げてココに来ただろ」
「なッ!」
まさかこんなことを確かめに来たとでもいうの?
確信がある言葉で私を攻撃して楽しんでるかのように、焦りを浮かべる私を見て笑ってる。
なんて意地が悪い。
「お前さ、抵抗すらしなかったんだろ?」
「な、なにがですか」
「カイくんに迫られてキスされながらその先のこと考えて、”まぁこのままでもいっか”なんて思いながら流されたんだろ?」
「なん、であ、アスカさんにそんなことーーーーーッい」
いつの間にか距離を縮めてきたアスカさんは顎を思いっきり掴んで無理やり顔を向かされた。
あまりの力の強さに悲鳴が上がり歪んだ視界に映るのは、何故か怒りを浮かべてるアスカさんだった。
現状についていけず恐怖で震える腕で抵抗しようとしたけど力が入らない。
居間にいるカイさんに助けを呼ぼうとも声が出ない。
どうしよう、なんで、怖い、助けて。
「どうせ捨てられるのがオチなんだよ」
「は、放して…」
「散々ヤるだけヤって後はポイ、カイくんの常套手段だよ」
「嘘言わないで…」

