出てくるなり携帯を握りしめ正座までする私を見て察したのか、カイさんはフッと笑った。
「ナニしてたなんか言えねぇな」
「…全然笑い事じゃありません」
「可愛い娘が俺みたいな奴に抱かれてた、なんて言ったら親は泣くだろうな」
「…カイさんが、って所に汚点はありませんよ」
カイさんにそんな顔をさせるなら場所を変えて電話するんだったと後悔した。
自嘲するみたいにカイさん笑った。
…後悔してるんだろうか。
昨日私を….、
朝からこんなことになるなら抱かなきゃよかったと思ってる?
嫌だよ…、お願いだから…そんな顔しないで…。
無かったことにしたいなんて思わないで…。
「嫌です…。………いで」
「は?」
「…こんなことになるならシなきゃよかったなんて思わないで…下さい…」
膝の上に拳を作って爪が食い込むくらい握った。
こんなこと言いたかったわけじゃない。
こんなこと言ってカイさんを困らせることわかってるのに。
なんだか凄い泣きそう…。
「何言ってんだ。ふざけんなバカ」
だけど返ってきた言葉は全く違うもので、それに何でか少し怒ってる。
「まさか後悔してんのかよ。こんなことになんならヤんなきゃ良かったなんて思ってんなら承知しねぇぞ」
「…思ってないです」

