「ハナ」
「やぁ…嫌だ…見ないで」
「ハナ」
「お願い…やだやだ」
恥ずかしさのあまり俯いて子供のように首を振る私にカイさんは胸に一回キスを落とすと、突然私を抱えて部屋を出てこうとする。
足の裏と背中に腕を回していとも簡単にあられもない姿の私を抱き抱えるカイさんは台所を出ると階段を上り始めた。
あ、…寝室に行くんだ…。
畳の上に敷かれたいつもカイさんの寝る布団の上に優しく降ろされた時、本気で逃げられないと悟った。
窓は相変わらず網戸で部屋は月明かりのみ。
私の上に覆いかぶさるカイさんはキスの雨を降らしてきた。
部屋に響くリップ音が緊張に拍車をかける。
キスをしながら優しくカイさんが触れたとこは熱を帯び火傷しそうで。
全部下着を取られた時は目に涙が滲んだ。
「ハナ……」
そして。
カイさんのそんな切ない声が聞こえたと同時に腹部に鈍痛が走って、私たちは一つになった。
律動を刻んでいくたび痛みは徐々に消え、大きな背中に手を回し爪を突き立てながら何度も何度もカイさんの名前を呼んだ。
吐息がお互い熱を帯び、堪えきれず出た嬌声が部屋に響き渡って、快楽が私の意識を奪っていった。

