ブンベツ【完】



私の無力な言い訳と抵抗は呆気なく、カイさんの口によって塞がれた。
熱い舌が私を翻弄して酸素を奪っていく。

苦しくて残った力でカイさんの胸を叩くけど安易に手首を掴まれて拘束されてしまった。

するとカイさんはもう片方の手で仮紐を有無なしに解いた。


「ッんんん」


仮紐が解かれカイさんの手が浴衣の中に入ってきた。
ゴツゴツとした細い手は優しく素肌に触れると、浴衣を柔らかに脱がされる。

今この現状で下着姿で最早心臓が暴れて気絶しそうなのに。
触れられる所は凄く熱い。

腰に腕を回したままキスをしながらカイさんの手が背中を上下に撫でる。
それだけでゾクゾクして背中が疼く。

口付けは口唇から首筋へと移動してビクッと震えた。
肌にカイさんの吐息が当たり優しくキスが落とされる。


「ッん」


首筋から肩へ、鎖骨、そして胸へと口付けをしていくと、パチンと背後で聞こえたと同時に胸が開放感に包まれた。

恥ずかしさのあまり手で隠そうとするけど案の定捕らえられて下着までも剥ぎ取られた。

やだやだもう、見ないで…
そんな見ないでよ…。
恥ずかしくて死んじゃいそう。