このままどうなっていくのか私ですら分かる。
怖いし不安だしドキドキだって止まらないし。
心臓が口から飛び出るんじゃないかって思う。
「…ッんぅ」
カイさんの舌が唇を割って浸入して来てどうしていいのか分からないし、何より息が続かない。
足にだって力が入らないし頭だってふわふわした気分に襲われる。
背中を上下に撫でる手も酸素を奪う口付けも優しく触れるカイさん。
一回距離を置くキスにここぞとばかりに息を貪る私と違ってカイさんは余裕の表情。
するといとも簡単に背中にある帯の結び目を解いた。
腹部の圧迫感の解放と共に帯が足元に円を描いて落ちると次は仮紐に手を掛けようとする。
吃驚して途端に解こうとするカイさんの手を制した。
「ちょ、あの待って…」
「なんだよ」
不機嫌な顔を向けてくるカイさんの手を抑えるのが精一杯でどう言ったらいいか分からない。
不安で不安で堪らない。
怖いし何をどうしたらいいのか分からないし。
もう引き返せないって分かってる。
分かってるけど、
「こ、怖いです。か、カイさんとキスするだけで凄いドキドキして死んじゃいそうなのに、私、何したら」
「何もしなくていい。あんたには怖い思いもさせない」
「だけど私、…は、初めてで…」
「知ってる」
「か、カイさんは経験あるかもしれないですけど…初めてだから、ま、満足させられないかもってーーー」

