「俺のこと呼び捨てで呼んでよ。さん付けとか気持ち悪いじゃん?」
だけどそれが運の尽きだったのかもしれない。
何でさっきちゃんと断ってさっさと帰らなかったんだろうと自分を恨むのは何回目だろう。
腕を掴まれ強制的に参加さけられた挙句、茶の間に入るや否や隣に座らされて乾杯スタートしてから今にいたるこの状況。
一件酔ってるようなテンションだけどサジさん曰くこれは通常運転らしく、
「お前夏休みなのに遊び行けよー。なにもしかして毎日バイトとか真面目キャラ狙ってんの?」
「真面目キャラって…」
「華の女子高生だろォ?カイくんこの子ホントに女子高生?まったく若さの匂いがしないんだけど」
「いや、あの…」
「今年受験だろ?どこ行くの?ていうか敬語もやめてくれない?なんかエロイよ」
「………」
帰りたい。
物凄く帰りたい。
せめて隣を変えて欲しい。
カイさんは煙草とお酒のどっちかだし全然話に入ろうとしなくて。
サジさんに至っては弄られる私を見て楽しんでる様子だし。

