何時ものようにお店に立って時間を潰して、日が傾いて夕方の鐘がなり始めた頃。
お店のシャッターを下ろそうとしてた時。
「こんばんわー久々だな、ハナちゃん」
私に声をかけてきたのは、本当に久々な対面だったサジさんだった。
最近、蕎麦が飽きたらしいカイさんの要望で注文することがなくて全然会う機会がなかったから、突然会えてうれしかった。
だけど気になったのはサジさんの一歩後ろにいる会ったことがない男の人。
タンクトップとダメージジーンズにビーサンというラフな格好なその人はスイカを一玉抱えていた。
「今夜ここで俺とカイとコイツの3人で飲みすんの」
「あ、そうなんですか」
コンビニ袋に沢山入った缶ビールや酎ハイと思われるものを嬉しそうにサジさんは掲げて笑った。
途轍もなく嬉しそうでなんだか可愛い。
「ハナちゃんも参加しようよ?おじさんばっかで寂しいからさ」
「いえ、私はすぐ帰ります。皆さんの邪魔になりますしそろそろ時間なので」
「可愛いハナちゃんが邪魔なんて思う奴いないよ?てか寧ろいたら俺が許さないから。おめーも説得しろ、アスカ」

