ーーーー…全部、こんな顔をさせてるのは私だ。
「なのに、何で、俺はアンタのものになれない…？」
「ッぅ」
カイさんは分かってる。
私が考えてる事、思ってる事、総てを。
私がどんな思いをしてそばにいるのか、これから起こる全てのことも。
けど、口や瞳から零れ出る想いは溢れてくるばかりだ。
「カイさんが好き…ッ」
愛してる。きっとそれはカイさんと出会わなかったら感じられなかった。
どんな感情なのか分からなかった。
ボヤける視界の所為でカイさんの輪郭は分かるけど表情までは分からない。
けどきっと、彼も泣いてる様に見えるのは私自身がそうであってほしいと願っているから。
「ブンベツが出来なかったッ４年も、４年もあったのにッ」
私の為だけに泣いてほしいと。
「けどまた元に戻ってカイさんがどんなに大事にしてくれてるって分かっても、アヤセさんがチラついて、」
「アヤセとはもうとっくに終わってる」
「違う、違うんですッそうじゃなくて、私と出会わなければカイさん、ずっと想い続けれたはずでしょう？だ、だから悪いのは私なんです」
「ハナ」
「カイさんが私に負い目を感じる必要なんてないんです」
「ハナ、何で俺がアヤセに拘ることが正しいって決めんだよ？何で、自分がそれを曲げたって事になるんだよ？」
