「…ーーー地獄絵図だな」
「皆さん死体のようですね…」
時刻は朝方の6時過ぎ。
部屋が薄明るくなり始めた頃、気づけば朝だ。
夜通し皆で飲んで騒ぎ明かして後半からもう記憶がない。
と言うかここにいる全員、ほとんどないだろう。
カイさんが言った通り、正に地獄絵図。一人二人と潰れていき、気づいたらこの有様だ。
大の男の人がリビングが埋まるほどあちこちに死体のように転がっている。
「俺らも寝るぞ。こいつらが活動する前に」
「皆さん起こさなくて大丈夫ですか?お仕事とか」
「大丈夫だろ。適当に起きて勝手に帰る」
…なんともカイさんらしい。
「先ベッド行ってろ。タバコ吸ってから行く」
そう言って眠そうな顔でベランダに行ったカイさんの顔は明らかに寝不足で限界がきている顔だ。これは寝たら夕方前になりそうかも。
私ももう既に瞼が落ちてきそうな状態の中、お馴染みの寝室に行くと鞄の中で携帯が僅かに振動していた。
こんな明け方に電話してくるとしたら母が一番可能性が高い。母だったら後で折り返そうと決めて画面を見れば知らない番号。
誰だろう。
登録されてない知らない番号だった。
出るのをやめようかと思ったけど仕事関係で何かの電話と言う可能性がすてきれなくて恐る恐る着信をとった。
「……」
出てみたものの応答がない。
悪戯…?と思ったその瞬間、
「ーーーーーもしもし、麻生です」

