幅が広い虹の上にさっきと同じ、エンジンんをふかせたキャラクターが息だっている。
こんな見ず知らずの人にあられもないハンドル捌きをお見せするなんてとんだ公開処刑だ。
カウントダウンが始まった。
次こそは何が何でも逆走しないと覚悟したその瞬間、
「ーーーー勝ったら今日泊まりな」
肉声と共にやってきて一瞬で私を足と足の間に挟み、コントローラーを掴む私の手に大きな手が覆いかぶさった。
そのタイムングと共にカウントダウンは0になり、見たことないスピードでスタートした。
「ちょ、お前!カイくん使うなんて卑怯だぞ!?」
急遽参戦したカイさんに呆気を取られ出だしに失敗したアスカさんは私より後ろを走ってる。
軽やかにレースをこなして気づけば1位で爆走中。
肩に乗るカイさんの顔が近くて横が向けない。
カイさんの足と足の間に挟まれてるからなんだか抱きしめられてるみたいで変に緊張する。
「お前、負けたら俺の前でカイくんと公開キスだかんな!?!?」
「なッ!!」
こんな大所帯でカイさんとキスなんて冗談じゃない!
「お、いーねー!アスカ負けんなよ」
そう言ってヨシノさんが煽った所為か勢いづいたアスカさんは私以外のレーサーをブチ抜き気づけば真後ろまで縮めてきた。
すると「これでも喰らえ!!」と放たれたスピンされた甲羅が私のカートに命中し、レールから弾き飛ばされ宇宙の底へ落下した。

