ブンベツ【完】




思ったより早めのアクションで驚きつつも当たり障りのない挨拶をして『例の件ですが母が勝手に突っ走ってしまって、実は彼氏がいるのですみません』と事務的にメッセージを送った。

それが一昨日の話で、それ以来先輩からの返信はない。思わせ振りな状況だったが故に怒らせてしまったんじゃないかと思ったけど、これ以上メッセージを送るのもなんか違って現在に至る。

なんとか上手く小規模で話がまとまったのでカイさんに言うまでもないと思って言ってない。
特に何があったわけでもないし、もう終わったことだから気にすることじゃない。

だから1週間以上ぶりのネタにするものでもない。




そして、週末の金曜の夜。


「お前、負けたら俺の前でカイくんと公開キスだかんな!?!?」

「なッ!!」


金曜日の今夜はカイさんちで宅飲みになった。
と言うか有無を言わさずそうなった。

嫌がるカイさんをフルシカトでお酒と一緒に運ばれて来たのはテレビとゲームだった。
ガラの悪い男の人も数人引き連れて。

嵐のようにやって来た彼らを見てカイさんはそれから文句の一つも言わなくった。きっとめんどくさいんだと思う。言ったとしても簡単に引き下がるような人じゃないからエネルギーが勿体無いと思ってるに違いない。

ガタイのいい男の人たちの中には何人か見覚えのある人もいて、前に海でバーベーキューをした時にいた人だと思う。
その中にはヨシノさんもいて、更には、


「ハナちゃん、久ぶり」


4年ぶりの大好きなサジさんもいて、