「………」
「で、次はいつ消える予定なんだよ?」
小学校のときに担任の先生に通信簿に毎回書かれていたのは「素直な子です」だった。中学に上がって周りの考えや空気に敏感になって思ってることと反対のことを言えば「顔に出てるよ」と言われた。
私は先生曰く「素直な子」で、友達曰く「顔に出やすいタイプ」な人間だというのは自覚はしていた。していた筈だった。
今は一番それが私の中で要らないものだということ。
「…じゃあ次から気をつけます。これでいいですよね?もうこれ以上この話はしたくないです」
「知らないんだろうから教えてるけどお前と別れてカイくん、女なんて1人もいなかった。アヤセとだって、」
「ーーーもう放っておいてください。アスカさんには関係ないことですから」
「お前とカイくんが別れた後にアヤセとヨシノくんが離婚しても、カイくんはお前だった」
「………」
「ずっとずっと四年もずっとお前だったんだよ」
アスカさんには私の気持ちなんか分からない。四年前からずっと今まで私がどんな風に生きていたか、何を思ってたかなんて他の誰にも分からない。それはカイさんだって同じことだ。
私の気持ちは私にしか分からない。
私はカイさんを想うのと同時にそのすぐ隣でアヤセさんが媚びれ付いて離れない。
カイさんが私の方を向いていても、そのカイさんの背後でアヤセさんがカイさんを見てるのを私は見える。

