時間は恐らく明け方の5時あたり。
身体がベタベタして気持ち悪いけどもう目を開けるのすら億劫で動くこともできないから時計も確認したくない。
腰が砕けるんじゃないかってくらい身体を繋げたから声は出ず立てないのは当たり前だ。
今日はもう呼吸をする以外で何もしたくない。
そんな私と違ってカイさんはお腹が空いたとかでご飯を作ってる。
何か炒めてるのか食欲をそそる匂いが寝室までしてくる。
男女の差なのかよくそんな元気があるものだと、カイさんの底知れない体力にまったく付いていけない。
まぁ料理は元々してるところは見てたし何度もご馳走にもなった。
わりと器用に物事をこなす人だったカイさんは昔からスペックが高かったけど、今もそれは健在のようだ。
「飯できた」
グッタリしてシーツにくるまったままの私にカイさんが知らせに来た。
眼球に張り付いた瞼をやっとの思いで開けると、シャワーを浴びたのか少し髪の毛が湿っていた。
色っぽいその姿にかっこいい、と思わず口にてしまいそうだ。
「シャワーは?」
腰が痛いのにシャワーなんてもってのほかである。
声すら出ない所為で仕方なく首を左右に振る。
ここからもう出たくない。

