私は握っていた拳を解き、そっとそのままカイさんの頭を抱きかかる様に抱きしめた。
子供も優しく抱くお母さんに近い抱擁がカイさんの心に届けばいいと思った。
きっと、私がいくら「何もしなくていい」と言ってもカイさんは分かってくれない。
4年もの間こんなにも根付いてる後悔が簡単に晴れる訳がないのは明白。
だから、カイさんが満足するまで嘘をついてでも私が満足した結果を残してあげたい。
そうすれば負い目なんて消えるだろう。
迷いなんて消えるから。
ちゃんとブンベツが出来たら、自分の幸せを考えれる。
だからもう少しだけ待って欲しい。
カイさんが私から解放できる様に頑張るから。
「…私がカイさんを幸せにします」

