ーーー…ゾッとした。
背中に冷たいものが走って耳障りな蝉の声がどんどん遠のく。
ドクン、と強く頭の芯に鳴り響くような心臓の音がやけに五月蝿くて思考すらも固まった。
「今まで自分のものだと思ってたカイくんが年下のお前に奪られてアヤセは相当キタらしい」
「……」
「きっと多分、カイくんはずっと自分の事好きでいてくれるって、アヤセは本気で思ってんだよ」
「……」
「お前が現れるまで、な?」
…じゃあ、なんで……ヨシノさんと結婚をしたの?
結婚は、好きな人とするものじゃないの…?
ならどうして、カイさんは自分のものって思う必要があるの…?
「このままじゃカイくんとアヤセがどうって言う前に、」
ーーーー確実にお前が先に潰れるぞ?
……ーーーーーー、

