その日から私はおかしくなった。
毎日朝から晩までカイさんに引っ付いて離れないようにした。
ずっとカイさんの体温を感じていれば安心だからバカみたいにそばにいた。
ずっと一緒にいたい。
一時も離れたくなんかない。
そんな想いがどんどん加速していく私をカイさんは突き放したりしなかった。
そばにすり寄れば抱きしめてくれるし暑いのに家の中でも手を繋いでくれる。
今までよりキスやエッチの回数も当たり前に増えた。
お店が休みの日には昼間から帰る時間まで体を繋げたし、親に嘘を並べて外泊もした。
だけどまだ挨拶ができていないカイさんは絶対私に泊まれとは言わない。
それを私も分かってるから外泊は一回だけだった。
カイさんが私を求める度に私の中の不安は消えるけど、またそれは襲ってくる。
それに魘されて寝れない日も続いた。
夏休みが終わろうとする頃には私の心も体も限界だったと思う。
「カイさん…」
「ん?」
ずっと側にいて。
あなたが好きです。
大好きです。
カイさんがいてくれたらそれだけでいい。
他はもう望まないから、何もいらないから、だから、一生側にいて。

