ブンベツ【完】




右隣に座るカイさんの手が肩に回って、その手が私の髪を弄んで毛先が頬に触れてくすぐったい。
だから自然に笑ってしまう私の口を、


「カイさんくすぐったーーーーーッん」


いとも簡単に塞いだカイさん。

髪を弄んでた手は後頭部へと周り、逃す隙を与えない様に力を込める。
慣れた様に割って入ってきたカイさんの舌が口内を犯して思わず声が漏れた。

テントで遮られて人が入ってこない限り見られないと言っても、いつ何時誰が帰ってくるかわからない。
だから出来るだけ声を出さない様に耐えている私と違って余裕の表情のカイさんは、意地悪くリップ音を立てながらゆっくりと口づけをしてくる。

だから余計に息継ぎが苦しくて酸欠になりそうで。
唇が離れた瞬間酸素を貪るけど、カイさんは容赦なく再び塞ぐ。


「ッか、いさん…ッん」

「息止めるな」

「苦し…ッ待って、」

「待たない」


やっぱり何回しても慣れないカイさんとのキスはどうしていいのか分かんなくて、ただカイさんの服をギュッと握って縋るしかなくて。
蕩けそうになるキスに酔いしれるほど余裕なんてない。

だからレジャーシートに押し倒されてもカイさんがキスの雨を降らしてくるのを必死に応えることしか出来ない。

私の顔の横で指を絡め互いの体温を少しでも分かち合う様に手を繋いで、絡められる舌に精一杯応えるのにいっぱいいっぱいだ。