ブンベツ【完】



ただでさえ暑いのに更に体温を上げられて逆上せそう。
もうバカみたいに顔が熱くなってるって分かるし少し酸素が薄いとすら感じる。

『可愛い』なんて男の人から言われた事なんてないからどう反応していいか分かんないし。
友達とか親戚の人とかなら言われた事はあるけれど、それはカイさんが言う可愛いと違う意味だっていうのは分かる。

なんでそんなかっこいい顔でそんなさらっと言えちゃうんだろう。

まぁそれはカイさんだから許せるっていうのもあるんだけど、仮にもしアスカさんにそんな事言われたとしても戸惑いを隠せないに違いない。


「今日もウチ泊まれよ」


私の肩に頭を乗せて甘えるようなその仕草にどれだけ私が胸キュンしてるかカイさんにはわかってるんだろうか。
カイさんの吐息が微かに首にかかってドキドキする。


「このまま帰らせたくない」


私だって帰りたくない。
ずっとずっとカイさんといたいって思ってる。

カイさんの心地い声に安心を覚えながらじっくりと耳を澄ましてカイさんをもっと近くに感じたい。


「いつも思ってる」

「……」

「あんた駅に送りながら歩いてる時、なんで俺のなのに帰さなきゃなんねぇのかって思ってる」

「……」

「余裕なんてない」

「……」

「目移りなんてしねぇ」

「……」

「ハナ」

「…はい」

「……ーーーーーずっと傍にいてくれ」