寝癖が付いた襟足が可愛い。
笑そうになるのを耐えて誤魔化すため話を振った。
「カイさんが私を呼んだんですよ?」
「…そうだな」
「コンビニでご飯も買ってきました。起きてください」
私はカイさんの母親かと疑いたくなる。
寝起きの悪い息子を起してご飯を用意して、当にそれじゃないかと笑うしかない。
「シャワー浴びるから下行ってエアコン点けて待ってろ」
のっそりと起き上がって私の横を通り過ぎようとしたとき。
「大変よくできました」
声が微かに笑っててこの前みたいに大きな手で私の髪をクシャっと撫でると下へ降りて行った。
「……母親じゃなくて、ペット…?」

