私はずっとカイさんの傍にいた。
片時も離れず、こんな暑いのにも関わらずずっと手を繋いでくっついていた。
テントでお肉が焼けるのを待っている今もこうして右手はカイさんに握らたまま。
手に汗が滲んでるって分かるけどそれを嫌だとは思わないし、そうしてくれるだけで不安が押し寄せてくることはない。
指と指を絡めて "恋人繋ぎ" をしてる私たちは、はたから見たらバカップルだろうけどそれで全然構わない。
そんな私たちを皆んな冷やかしたり波恥ずかしがる素振りもせず、当たり前かの様にそこには触れてこないから有り難かった。
だけどそれより、私とアヤセさんを異様に遠ざけようとするアスカさんが逆に不自然でもあるけど。
折りたたみ式のテーブルがテントの中に3つ横並びになっていて、私たちが座る真逆にアスカさんとアヤセさんが座ってさっきから話してる。
というよりアヤセさんの気を自分に向かせてるって分かるそれに、感謝する。
声が出ないアヤセさんは小さなノートにペンを走らせ筆談で会話をしてるらしく、それにアスカさんが口頭で答えてるっぽい。
「水着着ろよ。せっかく海に来てんだからよぉ」
人妻相手でもやっぱりそこは譲らないらしいアスカさんに少し呆れる。
だけどその言葉にアヤセさんがノートに書き出すとそれを見た二人は一緒に吹き出して笑った。

