”あの人は不倫してるんだよ、男がいる女がずっと好きで結婚しても諦めがついてない。馬鹿みたいに”アヤセ”に拘ってーー”
この前お店でアスカさんが私に言葉をぶつけた日。
私が初めてアヤセさんを知った日だった。
「どうやら俺の勘違いだったみてぇだ。カイくん、お前と付き合う前辺りからアヤセと会ってないらしい」
「え?」
会ってない…って言うか、そこまで頻繁に会っていたっていうのも私はわからなかったし、私と付き合って会ってるなんて疑いもしてなかった。
幸せボケしてた上にそんな余裕すらなかったもの。
「あいつ精神的に不安定で、ヨシノくんが手に負えない時にカイくんが駆り出されてたらしいんだけど、最近それをめっきり断ってるんだと」
「……」
「その証拠に俺の携帯にアヤセから連絡が来る。”カイはどうしたの?” ってな」
「……」
今まではヨシノさんが補えない部分をカイさんが埋めてたけど、私との関係ができてそれがなくなった…。
その所為でアヤセさんは…、
私に内緒でアヤセさんと会ってないって聞いて安心はしたけど、その反面アヤセさんの気持ちを考えると罪悪感に似たものを感じてしまう私は偽善者なんだろうか。
何も知らない私がアヤセさんを『可哀想』と思うのは凄く失礼に値するような気がして…。
「俺もいい加減にしろって思ってる」
「え?」

