どれだけカイさんがアヤセさんを想ってたか、想像出来ちゃうから…。
ずっとずっと好きで、結婚してもアヤセさんが好きで、もしかしたら今も…。
胸が苦しい。
凄く苦しい。
ここ最近幸せ続きだったからバチが当たったんだろうか。
これは神様から与えられた飴と鞭で、今は鞭なんだろうか。
不安に押し潰されそうで気を緩めたら泣いてしまいそうになる私は、拳をギュッと握って耐えるしかない。
泣くな、泣くな。
ここで泣いたら駄目だ。
「けどこっからが本題だ」
「泣くのははえーよバカ」と憎まれ口を叩いたアスカさんは私の頭をワシャワシャと掻き撫でる。
それが少し楽しそうなのが口調からして捉えられる。
「カイくん、お前と出会って変わったんだよ。人間っぽくなった」
「……」
「俺が出会った頃は本当マジで ”同じ人間か?” ってぐらい人間味がなかったっつーかなんつーか…。まぁとにかく!カイくんはお前と出会って変わったっつー事だ!」
「……」
急に励まし始めるアスカさんは「顔あげろバカ」と言って次は無理やり顔を向けさせられた。
涙目で凄く不細工な顔してるって自分でもわかるくらい酷い顔なのに、アスカさんは容赦なくて。
この状況は物凄く恥ずかしい。
「俺が前言った事覚えてんだろ?」
「え?」
「カイくんがアヤセと不倫してるって」

