少し屈んで寝息を立てて寝るカイさんの顔を眺めた。
やっぱり綺麗な顔してる…。
甘いマスクとはかけ離れてるけど普段の仏頂面からしたら寝顔は可愛い。
「……カイさん起きてください」
起きてください。
じゃないといつまで経ってもこの状況から進みません。
「………」
この際寝顔でも撮っちゃおうかと思う。
ポケットから静かに携帯を取り出そうとしたとき。
不意に寝返りをうってこっちを向いたカイさんは顔をしかめるとうっすらと目を開け、眉間にしわを寄せながら私を捉えた。
「起きてください。もう9時回ってます…」
「何であんたが…」
嗄れた声で呟くと何度も瞬きを繰り返して数十秒、間が空いた。
何でって言われても、あなたが呼んだんです。
意識がはっきりとしてきたのかカイさんは「…あーそうだ」と独り言を言うとのっそりと体を起こした。

